“キャンプ以上、別荘未満”能動的ラグジュアリーを提案する
「Nature Development事業」における“水まわり”の役割とは
2022.10.26 Wed
水とデザイン水と入浴SANEI
自然豊かな環境に宿泊施設などを企画開発・運営し、地域ブランディングを手掛ける『株式会社DAICHI』。「能動的ラグジュアリー」をコンセプトに掲げ、自然との融合を体感できる施設を次々に構築しています。
この注目企業が新たに始動させた会員制貸別荘サービス「DAICHI ISUMI」。理想とする空間づくりにおけるこだわりについて、DAICHIの代表でありプロジェクトマネージャーの馬屋原竜さんにお話を伺いました。
コンセプトは「建築」×「自然環境」×「体験」
DAICHIは、馬屋原さんをはじめ、建築家・起業家の谷尻誠さん、造園家・グリーンディレクターの齊藤太一さん、クリエイティブディレクターの木本梨絵さんらが参画するプロジェクト。コロナ禍により人々のライフスタイルが変化する中、密を回避できる『外』の価値観が高まっているという世の中の流れを踏まえて、「豊かな自然の中でその場でしか味わえない特別な体験を提供したい」という思いからスタートしました。
元々アウトドア好きだったという馬屋原さん。普段から季節問わず年間何十泊とキャンプに出掛けているとのことで、同じく夏はキャンプ・冬はスノーボードと週末には外に飛び出す生活を送っているという谷尻さんとの協働プロジェクトにおいて「自然」というコンセプトはごく当たり前に掲げられました。
では、具体的に、どのようにしてビジネスに落とし込んでいくのか。それを考えたとき、「Nature
Development」というキャッチーなワードが挙がりました。一般的に“development”とは都市部を対象としてより便利に豊かにという意味で用いられますが、土地のポテンシャルとしては低いと考えられていた場所に「建築」「自然環境」「体験」という3つのアイテムを掛け合わせることで、その場所自体の価値を高めていけるのではないかと考えたのです。

「都市部における便利さとは対極に、自然には不自由や不便がつきまといます。
でも、そんな中でも、外で食べるご飯やお酒が美味しかったり、星が綺麗だったりと、また違った発見があり、豊かさを得ることができるんです。
自然に目を向け、魅力を広げる。これが『Nature Development事業』の大きな基軸となっています」
外と中の空間が連続するリビングダイニングスペース
『能動的ラグジュアリー』という新しい価値観
会員制貸別荘の第1弾となる場所は当初から千葉県いすみ市に。都心から1時間弱というアクセスの良さに加え、海や森もすぐそばにあり、サーフィンやゴルフ、乗馬といったアクティビティも豊富。いすみ米をはじめ農作物もたくさん採れ、勝浦漁港も近いという食の豊かさもあり、地の利の良さでこのプロジェクトにおいては最適なベンチマークになると考えました。
施設に一歩足を踏み入れると、そこは自然と一体化した特別なプライベート空間。大きな開口によって屋内と屋外がシームレスにつながり、開かれたテラスの目の前に流れる川の景色が広がっています。

DAICHIが展開する宿泊施設の立ち位置は“キャンプ以上、別荘未満”だといいます。キャンプを、テントの設営や片付けを自ら行う『能動的カジュアル』とするならば、別荘やホテルは予め用意されているサービスを受け取る『受動的ラグジュアリー』。その中間の領域として、自然の中に身を置きたいと思いつつも、前者には道具の準備等でハードルの高さや水まわりの快適性に不安を感じ、後者では物足りない…という層に向けて提案したいのが、『能動的ラグジュアリー』という新しい価値観です。
例えば、この施設には冷房設備はありません。理由は、窓を閉めることによって“外との親密性”が遮断されてしまうからです。敢えてリモコン一つで空調が管理できてしまう環境にはせず、暑ければ大きく窓を開け、目の前にあるプールに足をつけて体を冷やし、寒い時は薪ストーブに火をつけて部屋全体が暖まるのを待ちます。便利なハードやソフトをあえてカットし、自然と一体化した空間だからこそ味わえる貴重な体験を、真のラグジュアリーとして提供する施設なのです。
非日常な空間だからこそ、充実した水まわりが必要
たっぷりの湯量で贅沢感を味わえるオーバーヘッドのシャワー


シンプルなデザインかつ自然の彩色に溶け込むブラックカラーの水栓

【会社概要】
会社名:株式会社Daichi
所在地:東京都世田谷区等々力2丁目38-27 2F
設立:令和2年9月16日
代表取締役:馬屋原竜
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