「神は細部に宿る」

建築家ミース・ファン・デル・ローエやル・コルビジェが提唱していた言葉にあるように「細かい部分までこだわり抜くことで全体としての完成度が高まる」というセオリー。
私たちが目にする素晴らしい建築や工業製品やファッションに至るまで、垣間見ることができます。
 

神業

建築家やインテリアデザイナーが作り上げる空間も同じく、細部こそ重要です。
構造や予算や納期などの制約の中、採光や換気や導線やお客様の希望を加味してレイアウトを決め、居心地や雰囲気を素材や色を含めて設計してゆくのは、それこそ神業ですが、細部が全体の完成度を決めるとも言えます。
 

細部の調和1

中でもよくおざなりになりがちなのが水栓金具やハンドルなどの設備の細部。
個人宅の一例をご紹介します。

洗面ボウルや水栓金具、収納ドアハンドル金具やミラーの枠、照明器具のメタル部分など細部にまで考えられています。
白い清潔感、ソフトな色調の木の色、嫌味のないゴールドパーツで構成され、お使いになる女性にマッチした上品なバランスと調和が見て取れます。

全体に抑えたカラートーンの中でゴールドがアクセントになっていて、まるで春の着こなしのようです。

 

細部の調和2

下の写真も同じ個人宅で、お使いになるのは男性。

全体としてシンプルな設計の中で、丸い鏡とシャワーヘッドの丸い形状が空間にリズムを生み、シャワーヘッドや水栓金具のレバーや収納ドアの金具を黒に統一することで引き締まったアクセントになっています。

一般的に機能だけに終始しがちな洗面や浴室を含めたユーティリティスペースのデザインにおいて、水栓金具や扉金具などの細部を調整することで全体の調和が生まれるのがお分かりいただけるでしょう。

 

人に近い細部

水栓金具や洗面ボウルや収納扉のドアノブはお客様に引き渡されたその日から長い年月直接手に触れ使われる物であり、物理的にも建物の中で最も住み手に近いアイテムのひとつです。

建物の中の景色や使い心地まで考えられ細部にまで調和のとれた空間は、身につけるだけで嬉しくなるお気に入りのジュエリーやアクセサリーのように住う人が毎日の暮らしが豊になるポイントになってゆきます。
 

アクセサリーが決め手

建築やインテリアで、水栓金具や扉金具などは英語で「Accessory」と分類されることがあり、ジュエリーやバッグ、シューズなどのファッションアクセサリーと同じ役割を果たしています。
人の体に一番近く、面積の小さなアクセサリーたちがファッション全体の調和を作り、着こなしやイメージ、その人らしさを表現します。

建築やインテリアの細部である「Accessory」たちも同じく、使い勝手や調和を担って住み心地を決め、住む人らしさを表現する重要なアイテムで、サニタリールームインテリアの決め手になると言えるでしょう。
 

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