デザインへのこだわり
和風でありながら、琉球畳に、ベッドにソファ、テーブルを採用
和風旅館である清都だが、今回、琉球畳、ベッド、ダイニングテーブル、ソファを導入し和風と洋風を融合させている。
そこにはなにか思いがあったのだろうか。
やはりソファ、ベッド、テーブル、椅子というのは現代の生活様式として皆さん慣れていますので、快適に過ごしていただくには必要と思い導入しました。ただ和風の宿の風情というのは、好まれますので、和を残したいという思いから畳は残しています。
畳のメリットとして、玄関で靴を脱げば、それ以降裸足で過ごせる。
宿泊客の事を考えた結果、早く靴を脱いで足を楽にしてあげたいという思いがある。
内装のコンセプト
各部屋ごとにテーマを持ち、水栓やボウルもテーマに合わせてチョイスされている。
1階のお部屋は海との距離が近く波音を感じることができる。
ここは潮音(しおね)、潮華(しおか)と名付けた。
同じように2階のお部屋は夕焼けや、青空をイメージし紅霞(こうか)、茜雲(あかねぐも)、藍空(あいぞら)、瑠海(るみ)となった。
景色とあうものということを大事にしています。
瑠海(るみ)の場合には青をベースにしています。窓から見える青い海、青い空がモチーフです。壁紙も海をイメージしたものを用意しました。瑠璃色のお風呂を設置しているので「瑠海(るみ)」という名前をつけました。
他にも藍色の空を楽しんでくださいという思いでつくった「藍空(あいぞら)」、夕焼けで真っ赤に染まる「紅霞(こうか)」というお部屋などお部屋と景色に連携をもたせた内装にしています。
部屋ごとに作りが違う、そこにもこだわりが見える。
やはり同じものをいくつも作っても面白くないなと考えました。
常連さんになっていただいたお客様が次はあっちの部屋に泊まろうとか、毎回違った楽しみ方、こんなお部屋もあるんだ、あっちのお部屋もいいねとか楽しんでもらえたら一番いいと思っています。
黒へのこだわり
蛇口・水栓・垣にマットブラックで上品に締めるデザイン性
水まわりのこだわりも際立っている。たとえば、水栓器具はマットなブラックを採用。
家庭用のような普通のシルバーの水栓をつけても非日常感は少ないですよね。少しでもおしゃれにしたいなと思って選びました。全体的に黒、濃いようなシックな感じに揃えたので水栓も統一しています。
黒の水栓器具は、信楽焼の洗面器を引き立てている。
ほかのメーカーのお話をうかがいましたが、やはり黒いものでこれだけバリエーションがあるメーカーはSANEIさんだけでした。使い勝手もいいですし、デザイン性もいいですから。
いくらデザインがよくても使い勝手がよくなければならない。その点も考慮されている。
信楽焼は高級感もあり、和の象徴のような存在です。
ただ今までも信楽の洗面っていっぱいあったと思うのですが、こちらの器を選んだのは、オーバーフローがついたというのが一番大きな理由です。
他の旅館さんとも話すのですが、デザイン性、使い勝手、メンテナンス性、お客様はもちろん、我々経営者側、スタッフ、みんなにとっていいものを求めてしまいます。
今まで信楽の洗面器だとオーバーフローがなく、浅いものが多かったので、水はねなどいろいろ懸念点がありました。
今回選んだものは、オーバーフローがあり、何回か水を流してみて水はねが他の施設でみたものより少なく、すごく工夫されているなと感じました。
まさに「みんなにとっていいもの」でしたね。
様々な困難を乗り越え、安全安心を支える機能面、プライバシーの確保や快適性などの客の欲求の両方を満たす「次世代の旅館」が出来上がったのである。
割烹旅館 清都
住所:〒295-0103 千葉県南房総市白浜町滝口6241
TEL:0470-30-5030